大人気「鬼滅の刃」ですが、ついに2021年12月に「遊郭編」が放送されます。
それぞれ個性的なキャラクターも魅力的なのですが、物語の中でキャラクター同士の関わりがある人は関係性が見えやすいですが、それ以外は…どうなんだろう??と思われる人もいらっしゃるのではないでしょうか。特に女性同士の関わり合いというのは表には出てきていないので、分かりにくいと思います。
唯一判明しているのは柱同士の関係性の相関図が公式ファンブックにて明らかにされており、甘露寺蜜離と胡蝶しのぶの両者の関係性が掲載されていました。どちらも好印象に捉えていましたよね。しかし、それ以外の女性キャラクターの関係性はあまり明らかにされていませんよね。
そこで今回は神崎アオイと栗花落カナヲの二人についての関係性が気になりました。蝶屋敷の住人同士ですから何らかの接点はあると思いますが、物語の中でこの二人の絡みはあまりありませんが、実のところどうなのでしょうか??考察してみたいと思います。
神崎アオイと栗花落カナヲとの関係性とは?相性は良くなかった!??
「鬼滅の刃」に出てくる登場人物は結構対になっていることが多いことをご存じでしょうか。例えば「善逸と獪岳」、「時透無一郎と有一郎」、「継国厳勝(後の黒死牟)と縁壱」…という風に性格や技術などが正反対である「対の二人」が登場します。物語の中ではそんな正反対の二人の話が人間臭くて面白いところでもあったりしますが。
冒頭で触れた通りこの神崎アオイと栗花落カナヲの二人の絡みは物語の中であまり出てきませんが、実はあまり関係性が良くなかったようです。なぜなら神崎アオイと栗花落カナヲの二人は正反対の要素を持つ二人だからです。
物事をハッキリ言う神崎アオイと喋らない栗花落カナヲ
「鬼滅の刃」の物語の中でも神崎アオイは物事をテキパキと決めたり、家事などの用事を淡々とこなしています。そして物を言う時はハッキリと言います。どちらかと言うと気の強い女の子という感じですよね。那田蜘蛛山の戦闘後の蝶屋敷での治療では、そのハッキリとした物言いで善逸を完全に負かしていましたよね。
引用元:鬼滅の刃 第6巻より
それに対して栗花落カナヲは物事を自分で考えて行動すること自体が苦手です。これは彼女の生育環境が原因なのですよね。カナヲは壮絶な虐待を受けた末に親から売り飛ばされるという過酷な過去を持っています。いつも恐怖に怯えていたカナヲはある日を境に感情を失いいます。これは一種の生存本能なのかもしれません。自らの生命を守るために「何も考えない、何も感じない」ようにしたのでしょうが、胡蝶姉妹に救われてからはそれが一気に欠点に向いてしまいます。胡蝶しのぶも物語の中で「姉さん…この子全然だめだわ」「言われないと 何もできないの」と困惑されてしまいます。
引用元:鬼滅の刃 第7巻より
日常生活の細かいことに気配りが出来るアオイとは正反対に誰かに言われない限り、行動することが出来ないカナヲ。それは炭治郎たちが「遊郭編」での戦いにおいて壮絶な戦いの末に2か月間意識が戻らなかった際に隠の後藤さんからも指摘されていましたよね。「なんでもやりっぱなしで、全然しゃべらない…変な子。」そして炭治郎がやっと目を覚ましてもみんなに知らせないカナヲを見て、「みんな心配してるんだから知らせろや!!」と怒られていましたよね。
引用元:鬼滅の刃 第12巻より
鬼の首が切れない神崎アオイと柱候補の継子である栗花落カナヲ
では神崎アオイと栗花落カナヲの両者の鬼殺隊としての働きはどうでしょうか。
「鬼滅の刃」の話の中でも分かるようにアオイは「鬼の首を切れない」ことが作中で明かされています。アオイと炭治郎の会話の中で「選別でも運良く生き残っただけ…そのあとは恐ろしくて戦いに行けなくなった腰抜けなので」と自身を蔑む場面があります。「家族が殺されたから鬼殺隊に入ったのに、鬼の首を切れない自分は何て役立たずなんだろう…」という思いがずっと自責の念としてあったのでしょう。常に怒っているような雰囲気も自分に対する自責の念が怒りとなって表に出ていたからなのかもしれません。
引用元:鬼滅の刃 第7巻より
そしてアオイとは反対に栗花落カナヲは胡蝶しのぶの継子であり、「柱候補者」と言われるほどの実力の持つ主です。当初は「自分で何も考えることが出来ない、決めることが出来ない」ことから心配されていたカナヲでしたが、胡蝶姉妹の鍛錬を見て自然と花の呼吸を習得することが出来たカナヲでした。胡蝶姉妹からは「とにかく何も考えずに鬼の首を切ればいい」ということを言われます。
カナヲは肉親を殺されたアオイとは異なり、自身の生い立ちからも鬼への憎しみはあまりなかったと思われます(胡蝶姉妹を殺されるまでは)。人から言われたことは従順にこなせるということと感情の起伏がない分、鬼の首を淡々と切ることはある意味自分で考えたり決めたりすることよりもカナヲにとっては簡単なことなのかもしれません。
神崎アオイと栗花落カナヲとの関係性が変わる時、きっかけは炭治郎だった!?
このような正反対の二人であるため、アオイはカナヲに対してイライラしていたと思います(作中には出てきていませんが)。反対にカナヲはアオイに対してどうして良いのか分からずオロオロしていたと思います。アオイのイライラは鬼の首が切れないことで鬼殺隊士になれなかった(カナヲに対する)コンプレックスも含まれていると思います。
そんな二人の関係性が変わる場面があります。それが「鬼滅の刃 遊郭編」の話が始まる前の「人攫い」のシーンです。音柱の宇随天元が「女性隊士が必要だ」と言って、アオイたちを攫おうとします。それを見たカナヲは自身の中に様々な思いが浮かびつつも、「心のままに…」という以前の炭治郎からの言葉を思い出し、アオイたちを引っ張ってそれを阻止しようとします。それを見たアオイは「カナヲ…」と言って少し涙ぐむ場面が見られます。今まで自分では何も考えることが出来ず、行動することも出来なかったカナヲが自ら考えて行動したのです。
引用元:鬼滅の刃 第8巻より
しかし、ここに至るまでには神崎アオイと栗花落カナヲの二人の心境に変化がありました。そのきっかけを与えたのは炭治郎だったのです。そのきっかけは「那田蜘蛛山編」の闘いの後の「機能訓練編」でした。炭治郎が無限列車の任務に行く前に機能訓練で一緒に訓練してくれたアオイに挨拶に行きます。アオイは炭治郎のお礼に対して「あなたたちに比べたら 私なんて大したことはないのでお礼など結構です」と自身を卑下します。しかしやはりそこは炭治郎ですね、まっすぐな思いをアオイに伝えます。その言葉に胸を打たれる場面があります。今まで鬼殺隊士として鬼の首も切れずにいた自分を卑下していたけれど、炭治郎の言葉に救われたんですよね。同時に「たとえ戦いにいけなくても、自分にも出来ることがあるんだ」ということに気づけたのだと思います。直接的なことは出来なくても間接的なことで手助けが出来るということですね。アオイの心境はここで変化したと思われます。
引用元:鬼滅の刃 第7巻より
そして同じように、栗花落カナヲも無限列車に出発する炭治郎から挨拶をされます。
何も話そうとしないカナヲに対し困惑する炭治郎ですが、カナヲがコインを取り出し投げたので、つかさず話を聞き出そうとします。カナヲは「指示されていただけでお礼をいわれる筋合いはない」と言います。炭治郎は「どうして自分で決めないの?」と問いかけ、それに対してカナヲは「全部どうでもいいから、自分で決められないの」と話します。そこで炭治郎はカナヲからコインを借りて投げ、見事に「表」を出します。「頑張れ!!人は心が原動力だから どこまでも強くなれる!!」と励ましを受けます。ここでも炭治郎のまっすぐな気持ちに心動かされるんですよね。それまで自分で考え、決めることが出来なかったカナヲにとっては「自分の気持ちを感じて動く」ということのキッカケを与えてくれたのは炭治郎だったのです。
引用元:鬼滅の刃 第7巻より
神崎アオイと栗花落カナヲとの関係性まとめ
いかがでしたでしょうか。この二人の関係性については特に作中では触れられていませんが、正反対の要素を持つ二人だったのです。互いに持つ要素が異なるからこそ対立してしまう…それは私たちも同じことがあるのではないでしょうか、「気の強い人」は「気の弱い人」とはソリが合わない…なんてことは現実世界でも多々あると思います。
しかし、何かがきっかけで自身の欠点が改善され、互いに歩み寄ることが出来る…というこがお互いを理解するにあたっては大切なことなのではないでしょうか。
「鬼滅の刃」からはそんなことも学べてしまうのですね!!今後もアニメ化の続きが楽しみです。
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