「鬼滅の刃 無限列車編」にて日本歴代興行成績トップを塗り替え、社会現象となったアニメ鬼滅の刃ですが、ついに2021年秋冬に続編の「遊郭編」が放送されます。
遊郭編で炭治郎たちが戦うことになる「上弦の陸」の堕姫と妓夫太郎ですが、「プロモーションリール」にて堕姫の声優が沢城みゆきさんであることが発表され話題になっていましたよね。
堕姫と言えば兄である妓夫太郎が本当の意味での上弦の陸になるのですが、登場が遊郭編の後半になるため、まだ担当声優が未発表のままでしたよね。気になるところではありますが、発表はもう少し先のようです。
そんな妓夫太郎ですが、美しい妹の堕姫(梅)とは反対に美しさがすべての基準である遊郭にはそぐわないような容姿をしています。それは自身でも充分自覚しており、悲惨であった人間時代からの恨み辛みを持ちながら鬼として生きています。
今回はそんな上弦の陸である妓夫太郎について彼の容姿にも関係する、生まれながらの病気について気になったので調べてまとめてみました。
上弦の陸・妓夫太郎の容姿の特徴は先天性梅毒?遊郭の実情とは?
上弦の陸である妓夫太郎は普段は堕姫の中に隠れており、堕姫がピンチに陥った時に身体から分離して現れます。真の上弦の陸は妓夫太郎なんですよね。特徴的なのは妓夫太郎の見た目です。顔と身体の痣、ギザギザの歯、異様に細いウエスト…これらは作中では明らかにされていませんが、「先天性梅毒」によるものの症状であると考えられます。
「鬼滅の刃 遊郭編」の舞台は吉原遊郭ですが、遊郭で最も恐れられていたのは「梅毒」という性病でした。「鬼滅の刃」では、そこでまで深く梅毒については掘り下げてはいません。連載している雑誌がジャンプという、小学生が読む漫画であることも考慮されているのかもしれません。
江戸時代の遊郭の実情について~華やかな世界だけじゃない当時の遊女の苦しみ~
さて、今であれば医療が進化し梅毒であれば抗生剤を服用することで治すことが出来ますが、妓夫太郎たちがいた遊郭の最盛期である江戸時代には正しい知識も技術もなかったため、遊郭の遊女たちは非常に性病にかかる率が高かったとされています。
梅毒が厄介なのは病気の進行が非常に遅いことが特徴で、一度治ったように見えても再び症状が出現します。それらを繰り返しながら長い年月をかけて徐々に身体を蝕んでゆき、末期になると「ゴム腫」と呼ばれる弾力のある腫瘍が全身に出来始め、それがやがて壊死して崩れるという壮絶な最期を迎えるのです。
それでも当時の遊郭では梅毒になった遊女は妊娠・出産しにくい身体となり、病気の苦しみによって痩せこけ青白い肌となって「遊女としての格が上がった」「一人前の遊女になった」とみなれるということでした。
梅毒になった遊女が妊娠・出産するとどうなるのか
梅毒になった遊女は「妊娠・出産しにくい」ということですが、やはり一般的には多くの場合、死産か新生児疾患、新生児死亡と死亡のリスクが高く、中には無症状で生まれてから症状が進行する場合もあるようです。
「先天性梅毒」は妊娠女性が梅毒に感染していると、そのお腹の胎児も子宮内で感染していしまいます(胎盤を通して感染)。そして運よく出産出来たとしても、様々な障害や病気を持って産まれてきます。生後数年以内の乳幼児期に症状が現れる早期先天梅毒といい、学童期以降に症状が出現することを晩期先天梅毒と言います。そして晩期先天梅毒で特徴的にみられる症状をハッチンソン3徴候と呼び、(実質性角膜炎、内耳性難聴、ハッチンソン歯)やゴム腫などがみられます。
妓夫太郎に見られる先天性梅毒の症状を考える
もっと深掘りすれば、妓夫太郎のこの歯は恐らく先天性梅毒による歯の形成不全で「ハッチンソン歯」でしょうし顔の骨格の形成異常の表現でしょう
作中で名言はありませんが…少なくとも懸念されてる遊郭吉原上位の美しく煌びやか物だけを取り扱ったり表現したりは決してしてません pic.twitter.com/8wGV2Z6w4r
— いちはち(*^◯^*) (@dbzKwBMtByE7E80) February 16, 2021
では実際の妓夫太郎の症状と先天性梅毒との特徴を照らし合わせてみました。
血走った眼…角膜炎
顔や体の痣…梅毒性バラ疹?
ギザギザの歯…ハッチンソン歯(先天性の梅毒がもたらす歯の形成不全)
異様に細いウエスト…梅毒の低栄養か、生活上の低栄養か
考察とまとめ
いかがでしたでしょうか。妓夫太郎たちが生きた江戸時代から続く吉原遊郭ですが、煌びやかな世界に見えてもそこで働く遊女たちは所詮人質のようなもので、自身の意思に関係なく商品として客に身を捧げなければならない実情があったと思います。正しい知識も技術もない時代であれば、感染症は非常に恐ろしい状況を引き起こします。遊女が最もその被害者だったのです。そしてそんな遊女が妊娠し、運よく出産出来たとしても当然子供にも感染させてしまい、苦しい人生を送ることになってしまいます。
さて私たちが生きる現代でも梅毒患者は増加していると厚生労働省が警告を出していました。江戸時代などの昔ではない現代を生きる私たちには正しい知識と医療があります。前述したように梅毒は「一度症状が出ても治ったように見えてしまう」という厄介な病気です。
そこで安堵せず、「なんかおかしいな…」と思ったらそのまま放置せず、ネットで調べたりして疑いがあった場合は早めに医療機関に受診するようにしましょう。それで何ともなければ本当に安心出来るのですから。早めに治療すれば治療期間も短くて済むでしょうし。梅毒に限らず性感染症の場合はパートナーと一緒に考え受診することも重要ですから、日ごろのコミュニケーションなども重要でしょう。
いずれにしても早期発見・早期治療が重要です。少しでも感染症が減ると良いですね。
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