アメリカは日本と異なり、一般人でも銃の所持が認められている銃社会の国であります。日本人の感覚からするとなかなか理解しにくい部分でもありますが、銃社会であるアメリカの警察官は常に死と隣り合わせと言っても過言ではないでしょう。
中でも全米で第二の都市と言われるロサンゼルスは1日の犯罪発生件数はアメリカ国内でもトップクラスで、その治安を守る警察官の仕事は過酷であるとされています。そんなロサンゼルス警察の警察官になれる確率はわずか10%と狭き門。
2014年、一人の日本人女性がアメリカの警察学校に入学してきました。名前は永田有理(当時34歳)。2人の子供を持つシングルマザー、身長も小柄で性別も女性。年齢も決して若くない永田さんがなぜ警察学校へ入学し、狭き門であるロサンゼルス警察官を目指すことになったのか、その経緯をまとめてみました。
永田有理のwikiプロフィール(年齢/身長/子供)は?なぜロス警察官に?
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名前:永田 有理(ながた ゆり)
生年月日:1980年生?(※2014年で34歳という情報あり)
年齢:42歳?(※2022年時点)
身長:152cm
家族:子供2人(アジア系アメリカ人男性との子供)
警察官になるまでの経緯
永田有理さんは高校卒業後に渡米し、語学学校を経て現地の大学に進学。当初はプロのダンサーになることを夢見ていました。大学在学中にアジア系のアメリカ人男性と学生結婚し、7年間の専業主婦生活の後に離婚。「高卒でバツ1のシングルマザーが日本へ帰国しても仕事が見つからなさそう。」と帰国することは考えず、ロサンゼルスで仕事を探し始めます。
私は昔から「人の役に立ちたい」との人生の目標があり、定職を探す最中に「警察官になりたい」との気持ちが芽生えました。それで猛勉強をして現地のポリス・アカデミー(警察学校)に入校したんです。
有理さんは警察官を目指すべく、厳しい授業にもめげずに取り組んできます。授業の内容はというと…
「相手の痛みを知っておく必要がある」と、スタンガンを撃たれたこともあります。5秒間撃たれ続けるんですが、あれはきつかったですね。今でも傷跡が残っていますが、そこで痛がったり怖がったりした人もクビになりました。
あえて警察官同士でスタンガンを撃たせる…日本だったら問題になりそうですが、そこはアメリカなのか、授業内容もとても衝撃で過酷なのです。しかし全ては銃社会で多民族国家であるアメリカの治安を守るための訓練なのです。
ほとんど軍隊でした。自宅から通いましたが、朝5時にはグランドに行き、直立不動で整列しなくてはならない。落ち着きがないものは警察になれないとされ、整列時には眼球を動かすことも禁じられました。最も鍛えられたのはメンタルで、顔の2センチまで教官の顔が迫り「お前はクソだ、帰れ!」「お前なんて気札になれるわけがない!!」とひたすら罵倒されました。誰かがミスすると連帯責任で全員が腕立て100回。6か月後に晴れて卒業できましたが60人いた同期生は18人になっていました。
引用元:【インタビュー後編】高卒シングルマザーYURIが「30代でLAポリスを志した理由」
学校卒業後、1年目の仕事でメンタルをやられたといいます。理由は
大きかったのは遺体をたくさん見たことです。知り合いが殺害されたり知っている人が自ら命をたったりという出来事が相次ぎ、心の平静を保つのが大変でした。
ただ私は人間の死に慣れてしまって当たり前のこととして流すのではなく、ひとりひとりの死をしっかりと受け止めたいと思っています。だから毎回、ダメージを受けてしまう。
アメリカの警察官は自分の拳銃で自殺をしてしまう方が毎年いますね。そして常に、PTSDと闘っている人も多くいます。常に精神面の管理をすることが非常に大切になります。
実際の惨状を目にしてしまうとトラウマになってしまうような現場や、同僚が目の前で殺されてしまうようなこともあり、本当にメンタルを保つのが大変そうでありますが、永田有理さんはどうやってメンタルを保っているのでしょうか。
私の場合は、大好きな海に行ったり、友達と飲みに行ったり、カラオケに行ったりしてストレスがたまらないようにしています。一見どうでもいいような時間が私にとってはとても大事で、心のバランスを取るのに役立っています。
永田有理さんにとっては何気ない日常が一番のメンタルを保つ方法のようです。
しかし、ここまで過酷な状況になると、警察官にならない方が良かったとか、後悔したことは一度もないのでしょうか??
訓練中もポリスになってからも、ポリスにならなきゃよかったなんて、一度も思ったことはないです。ゼロです。
アカデミーの卒業時に、インストラクターから「卒業生18人のうち、3人はクビになる。残りの15人の半分は退職する前に死ぬ。その葬式におまえたちは行くことになる」と言われ、葬式用にと正装した写真撮影をしてもらいました。
なので、私たちにとっては、同僚が殉職するのも、自分が犯人に撃たれて怪我をするのもすべて想定内なんです。そういう覚悟を持って、私はポリスをやっています。
強い使命感と職業人としての高い倫理観、とても普通の感覚では勤まりそうにならない職業でも有理さんは覚悟を持って今日も仕事に励んでいるのですね。本当に頭が下がります。
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