シャリバート【グレーテルのかまど】はどんな飲み物?フビライ・ハーンとの関係は?

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飲み物

フビライ・ハンと言えば学校で習ったのは鎌倉時代に日本に攻め込んできた「元寇の乱」が有名ですが、実はアイスクリームの起源となるものを重宝していたことが明らかになっています。

モンゴル帝国の皇帝がアイスを気に入っていたとは意外ですが、アイスと言っても今日の私たちが食べているようなものではなく、薬や漢方のような意味合いで使用されていたんだとか。

今日の私たちが食べているアイスクリームの起源となるシャリバート=通称「シャリバ」について気になったのでまとめてみました。

 

 

 

 

シャリバート【グレーテルのかまど】はアイスの起源!?フビライ・ハーンとの関係は?

夏になると食べたくなるアイス。今では様々なアイスが販売されていますが、アイスの歴史はどんなものであったでしょうか?アイスの歴史を紐解くと有名な歴史上の人物との関わりが見えてきます。

アイスの歴史~健康食品として貴族や富裕層に愛された~

アイスの起源は古く、古代までさかのぼります。古代のアイスは現在で言うところのシャーベット状のようなもので、お菓子としてではなく疲れた体を癒す「健康食品」として利用されていました。アラブ、古代ギリシャ、ローマ、そして中国と幅広い地域の人々に伝わっていきました。当時のアイスは王族貴族や富裕層の人々の心を虜にし、嗜好品として愛されました。

アイスの一番最初は氷雪で当初は食品を保存するための物でした。雪や氷を冬に貯蔵しておくことで夏に食べることが出来るようになりました。兵士の士気を鼓舞するため、肉体を元気付けるための健康食品のような感じで利用されていましたが、これを健康食品でなく純粋に嗜好品として広めたのがローマの英雄ジュリアス・シーザー(BC100〜44)でした。

彼は若者をアペニン山脈に走らせ、そこから氷や雪を運ばせて、乳や蜜、ワインなどを混ぜて飲んでいたと伝えられています。今で言うこところの氷入りジュースみたいな感じでしょうか。

暴君で名高いローマの皇帝ネロ(37〜68)はアルプスから奴隷に万年雪を運ばせ、バラやスミレの花水、果汁、蜂蜜、樹液などをブレンドして作った氷菓「ドルチェ・ビータ」を愛飲していたと言われています。この「ドルチェ・ビータ」はローマ市民の間にも広がり、裕福な人々はそれぞれの自宅に氷の貯蔵庫を設け、宴会などで楽しんだと伝えられています。「ドルチェ」ってイタリア語で「甘い」っていう意味ですよね。暴君と言われた皇帝ネロも随分おしゃれな飲み物を楽しんでいたようですね。

また、ローマの将軍クイントゥス・マキシマス・グルゲオの文献には氷菓の製法が記され、これが最古のアイスクリームのレシピと言われています。中近東、アフリカ、ペルシャに及ぶ大帝国を樹立したアレクサンダー大王(BC356〜323)は奴隷たちに山から氷雪を運ばせ、果汁に糖蜜を加えた飲み物を好んだと言われています。

権力を誇示している人々も甘いものが好きだったみたいですね。各々果汁や糖蜜を入れるなどして楽しんでいたようです。

アラブの「シャルバート」

「シャリバート」はアラブ圏の砂糖を使い氷や雪で冷やした甘い飲み物のことです。

古代ヨーロッパ文明の中心は地中海でした。中でもシチリア島は東西文明の十字路で栄華を極めていましたが、9世紀前半から2世紀半にわたりサラセンに支配されイスラム文化が定着します。

アラブの「シャリバート」も伝えられ、その名も「ソルベット」(シャーベットのイタリア語)と変わっていきます。シチリア島では多種多様の果物やナッツを使ったさまざまな香り高い「ソルベット」が作られました。その一つにシチリア名物の「カッサータ」があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

※イスラム圏の古い物語集成「千夜一夜物語」中にも、アラビアに伝わる冷たい飲み物「シャリバート」が出てきます。

元の皇帝フビライハンも驚愕したシャリバート(舎里八)

アラビア文化圏の「シャリバート」が、シルクロードを経て中国にもたらされたという元の記録があります。大帝国を建国したフビライハーン(1215〜1294)は病に伏す父をイスラムの妙薬とされたシャリバートで癒したといわれています。

それがサマルカンドの「舎里八(しゃりば)」で各種の果汁に砂糖を混ぜ、バラの香りを付けた水、龍涎香(りゅうえんこう※)などで風味付けし、雪や氷で冷やしたものです。フビライは「舎里八」のあまりのおいしさに驚嘆したと伝えられ、調合した医師サルギスを仕官させ厚遇したとも言われています。

※「舎里八」は「シャリバート」の漢字訳です。

※【龍涎香(りゅうえんこう)】マッコウクジラの腸内に生じる結石を乾燥したもの。漢方薬や高級香料の材料。

古代から龍涎香は貴重な漢方薬であり、効能は「病気の治癒や体を健康にする効果」があると云われています。 血液の循環を活性化し胸や腹痛などの痛みを和らげるといわれており、気力を高めることもできると云われています。

甘くて美味しい飲み物でありながら、龍涎香入りで漢方薬の役割も果たすシャリバート(舎里八)。どんな味がするのか想像もつきませんが、今の飲み物で似たような飲み物はあるのでしょうかね。

 

 

 

 

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