「レッドムーダン」は園沙那絵氏による日本の漫画で、中国の唐王朝の後宮を舞台にした漫画です。後宮は完全なる階級製で、主人公の少女・武照(※後の武測天)は女たちの熾烈な闘いの中で、成長しながら勝ち上がっていく様が描かれた作品となっています。
今回はそんな漫画「レッドムーダン」について気になる登場人物や漫画のあらすじについてまとめてみました。
レッドムーダン~皇帝に成り上がった女~【漫画】のあらすじは?意味は?
黄金の龍の如く、“後宮”を駆け上れ――。7世紀の唐王朝。父亡き家を支えるため懸命に生きる少女・武照(後の武則天)。病気を患った母の為に奔走する武照だったが、貧困の魔の手が少女へ襲い掛かる――。中華史上唯一の女帝・武則天の生涯を描く、中華後宮ロマン開幕――!
レッドムーダン~皇帝に成り上がった女~【漫画】の登場人物
※以下ネタバレ注意!!
武照(ぶしょう)
物語の主人公で後の則天武后(ぶそくてん)として知られる女性。登場当時は13歳の少女。父が病死したために祖母、母、妹の4人で貧しい生活を送っていた。優しい性格で家族のためなら自身の犠牲を問わない。特技は水汲み。
家督を継ぐ男子がいないために何かと冷遇されており、もともと病気がちであった母を満足に医者にも診てもらうことも出来ず、母親が病死。貧しさから母の棺桶すら買うことが出来ず絶望してしまう。自分に力がないことで大切なものを守れなかった武照は現状に絶望し死のうとするものの、黄金の龍を見たことで生きることを決意。
武照は家族を支えるために後宮へと向かう…。
後宮では最下層の后女として入るものの、他の后女から激しいいじめに遭う。当初は自分さえ我慢すれば良いと考えていたものの、それでは「自分の弱い心に負けている」ということに気が付き、自分の信念に従い勇気を持って行動を起こしていく…。様々な困難を乗り越えていく過程で権力闘争に巻き込まれながらも、徐々に強さを持つ女性として成長する。
【後宮へ行く前の武照の人間関係】
武照の母・祖母・妹の華
父親が病死してしまったため、家庭を支えられる男がおらず、毎日の食べ物にも困窮するほどの貧しい生活を強いられる。武照の母は元々病気がちで状態が良くなかったため、満足に医者にかかることも出来ず死んでしまう。足の悪い祖母とまだ幼い妹である華のためにも武照は後宮へ行く決意をする。
義兄・武 元爽(ぶ げんそう)
武照の腹違いの兄。武照の父親の前妻の長男に当たる。作中では弟らしき人物も登場している。武照の父親が亡くなってしまったために頼ざるを得ないものの、自身は贅沢三昧をしているにも関わらず武照たちには貧しい生活を強いており全く慈悲の心がない。それどころか、「水汲みが満足に出来ていない」と文句を付け暴行する有様。武照を後宮へ献上する代わりとして少府少監督への昇進を果たす。
躑 仁輝(てき じんき)
武照が義兄から暴行されていた際に止めに入った青年。唐軍の一番下っ端で軍の遠征に参加している。作中で関係性は明かされていないものの、武照を気にかけてくれる、幼馴染のような親しい関係の様子。互いに淡い恋心を抱いているような描写も見られる。「軍で活躍したい」という躑に対して、女である武照は「いいな…躑は夢を見れて」と羨望の思いを抱く。
武照が後宮へ献上される際に躑へ自分はどうすべきか相談するものの、冷たく接してしまったことで少し溝が出来てしまう。その後武照は躑とは別れる形で故郷を後にし、離れ離れになった二人は再び再開するのか…?
【後宮での人間関係】
・皇帝
李世民(り せいみん)
唐王朝の現皇帝。一人称は「ワシ」。武照の人生に大きな影響を与える重要な人物。武照の存在に初めは気付かないが、次第に彼女に特別な感情を抱くようになる。彼との関係は物語の展開を大きく左右し、武照が権力を掴み取るための鍵となる存在。
・四妃
鄭賢妃(ていけんひ)
後宮の絶対的階級制に対して、不在の皇后に次ぐ四妃(しひ)のうちの一人。子供はいないものの、名前の通り賢く思慮深い后妃。皇帝からの信頼も厚い。そのため、后妃たち全体の教育を任されている。
何かと武照の成長のきっかけとなる手助けをし、武照も鄭賢妃に対して憧れを抱くようになる。その後は鄭賢妃グループとして武照を始めとする仲間のグループが出来る。
楊淑妃(ようしゅくひ)
鄭賢妃と同じく四妃(しひ)のうちの一人。隋の第2代皇帝・煬帝の娘として知られている。プライドが高くわがままな后妃。
楊淑妃の誕生日において、召使が粗相をしてしまったことで陽淑妃の怒りを買い、それを武照が庇っこことで目を付けられてしまう。陽淑妃が酒蔵において甕の酒に人間を漬けている場所で鞭打ちの洗礼を受ける。
武照にとっては敵対するライバル。成り上がっていく権力闘争の中でしばしば対立する。
・武照の仲間
徐恵(じょけい)
武照と同じ才人の位の后女。文学を重んじる家柄なので、小さい頃からスパルタ式で勉強させられていた。そのため、文学では優秀な成績を残す。武照が後宮に入って最初に洗礼を受け、いじめを受けていた時に止めた。才人全体のまとめ役でもある。
気が強く物言いのキツイところはあるものの、根は曲がったことが嫌いな性格なので、まっすぐな武照とは気が合う。その後交流を深め武照とは友人であり、武照のピンチの際にも手助けしたりと最良の友人となる。
徐恵にとってもそれまで後宮の女たちは互いにいがみ合い、足を引っ張ることは当然であった後宮において、仲間を手助けしようとする武照はとても新鮮であったため、武照の言葉に照れながらも嬉しさを隠せず、後に”姉妹の契り”を交わすほどの信用と義理堅さを見せている。
武照の大切な友人であり、彼女を支える存在。知性と意志の強さを持ち、武照が後宮で直面する困難を共に乗り越えようとします。
簫 玲玉(しょう れいぎょく)
武照と同じ才人の位で鄭賢妃による陛下の衣の課題で内文学館に選出されたうちの一人。勉強は苦手。天然でおバカキャラ。胸が大きいためかいつも胸元が開けており、周りから注意されることが多い。悪い子ではないため武照たちと仲良しになり同じグループとなる。
程 慶鈴(てい けいりん)
武照と同じく才人で内文学館に推薦された際に同時に学んだ后妃。背が高く勝気で男勝りな性格。ほどなくして武照グループとして仲良くなる。
・武照と敵対する人物
諮 茉莉(とう まり)
武照と同じく才人の位で、後宮で一番下っ端の武照に対して仕事を押し付け卑劣なイジメをする。武照に対する嫌がらせで蚕を投げつけたものの、その蚕から見事に絹を作り出した武照。鄭賢妃による衣の課題では武照の織り上げた絹を盗んで自分が織り上げたと嘘を吐くが、どのように作り上げられたか問われた際に盗んだ茉莉が的確に答えられず、武照が正確に答えることが出来たため、茉莉が盗んだと自白。その後茉莉は鞭打ちの罰を受ける。
許 旦陽(きょ あさひ)
内文学館に推薦された際にいた后妃。一見大人しそうに見え、品があるようにも感じるが、陰で武照に対して陰湿な嫌がらせを行う。しかし、それは自分の劣等感から来るものであることが後に分かる。
武照が身分に関係なく人に親切にしていること、人心掌握術に長けていることに気がつき、内心脅威を感じている。反対に旦陽自身は人に対して損得勘定でしか人間関係が構築できないため、真の友情を築くことが出来ず脆い部分がある。慰労会にて武照に罠を仕掛けるもバレてしまい、窮地に陥るが誰にも助けてもらうことが出来ず、失脚のにちに処刑される。
白 石家(はく せきか)
美人の位で元は女官出身。女官時代にスープをこぼしたところを陛下に見初められて美人の地位に抜擢された人物。陛下の気を引く時はいつもスープをこぼしている。陛下の寵愛を受ける武照を妬み、様々な罠をしかけてくる…!!