ラコールとエレンタールはどっちが飲みやすい??楽な飲み方や工夫の仕方とは??

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病気

炎症性腸疾患やその他の事情で日々栄養療法をしなければならない人にとって、毎日の栄養療法は「どのように付き合うべきか…?」というのは大きな課題となっている方も少なくないのではないでしょうか。既に毎日習慣化されている人や寝ている間に経鼻的に管理がなされている方々は問題ないと思われますが、それ以外の方々で経口(口から)からの摂取をする場合、「飲む習慣が中々持てない」という人もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな方のために、私が実践している方法ですが開示したいと思います。お役に立てるかは分かりませんが、あくまで私個人のやり方と考え方になります。「こんな方法があるんだな」程度で見て頂ければ良いかなと思います。

 

※当方はクローン病疾患が持病の一患者です。診断されてから10年以上経過しますが、今のところ身体の状態は安定していることが多いです。一患者の発信であるため、記事内容は「必ず」というものではありません。あくまで個人的な発信内容であることをご理解下さい。読んで頂いた方の日常のQOL向上に少しでもお役立ち頂ければ幸いです。

 

 

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ラコールとエレンタールの違いとは??


分かりやすいように、手持ちの冊子に加筆してみました。この冊子はクローン病患者向けの人に書かれたものです。説明に分かりやすそうでしたので引用してみました。一番左の「成分栄養剤」というのはエレンタールのことを指します。一番右の「半消化態栄養剤」といのはラコールを指します。

この二つを比べると一見どちらも液体(エレンタールは粉ですが水に溶かして飲みます)であるため、素人目には同じようなものに見えますが、溶けている分子が異なります。ラコールはある程度分解されているものの、たんぱく質という大きな塊になります。そのため、ある程度の消化を必要とします。これに対してエレンタールは「アミノ酸」という「たんぱく質」を一番細かくしたものになるため、「消化」を必要とせずほぼそのまま小腸から吸収されます。だからこそ消化管に病変部があるクローン病を始めとする炎症性腸疾患の患者さんにとっては負担が少ないため用いられるわけです。

また「アミノ酸」という一番小さい分子であるため、「抗原が出来にくい」とされていることもエレンタールが一番とされる理由です。これはクローン病を初めとする自己免疫疾患の患者さんは本来自分の体を守るはずの自分の免疫が、何らかの理由で自分の身体(細胞や臓器)を攻撃してしまうことで病気の炎症が起こり進行してしまいますが、食事からのたんぱく質を摂取することでもそれらのたんぱく質を身体の抗原(免疫反応)が「異物」としてみなし攻撃してしまうことがあるそうです。つまり「自分の細胞や臓器に炎症が起こり、病状が進行する場合がある」ということです。エレンタールはこの心配がないということです。

ですのでエレンタールには消化管に病変部(病気のある場所)のある患者さんにとって、病変部を刺激せず休ませることで「病気の進行を止める(和らげる)」ということと、更には「食事で摂取出来ない栄養素を補うことが出来る」という2つのメリットがあります。

 

私はクローン病患者ですが、現在は栄養療法としてメインにラコールを使用しています。エレンタールは調子が悪い時だけ使用しています。理由は次の項目で説明します。

もちろん、クローン病患者さんにとって一番ベストなのはエレンタールです。ラコールが体質的(抗原が出来てしまう等)に合わない場合はエレンタール一択となりますので、あくまで個々の体質と選択であり、主治医等の考えもあると思うので気になる方は主治医に相談する等して下さい。

 

 

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ラコールとエレンタールはどっちが飲みやすい??楽な飲み方とは??

私はクローン病患者ですが、現在は主にラコールをメインに毎日3袋飲んでいます。

単純に200mlで1mlあたり1kcalですから200ml×3袋で合計600ml(600kcal)摂取しています。クローン病患者は毎日900ml(900kcal)以上で再燃が抑えられるという統計が出ているので私はそれを下回っていますが、今のところこれで症状が落ちいているためここ数年はずっとこの状態で続けています。

私がクローン病と診断されたのは今から10年ほど前になりますが、最初はエレンタールが処方されていました。最初は飲んでいましたが、仕事の関係で引っ越したタイミングで中断。その後もペンタサの内服薬は飲んでいましたが、エレンタール等の栄養剤はめんどくさくなって飲んだり飲まなかったりしていました…

そして今から3,4年前に結婚したタイミングで通院先を探さなくてはいけない関係で、新しい病院を探していた時そこの女医の先生からラコールを勧められました。見たことがあったので名前は知っていましたが、あまり積極的になれませんでした。というのも以前、エンシュアを試しに飲んだことがあったのですが、とてもじゃないけれど不味くて飲めなかったことがあったからです。「ドロドロしていて、鉄臭くて…飲めたもんじゃないな…。」という感じでした。それを女医の先生に伝えると「ラコールはドロドロしてないから飲みやすいわよ。」と教えて頂いたのでラコールを処方して頂きそれからラコールを飲むことになった、という経緯があります。

クローン病患者にとってはエレンタールが一番良いとされていますが、エレンタールは水に溶かさないといけないのが結構手間だったりします(既に習慣化出来ている方や夜間に経鼻的に摂取(経管栄養法)されている方等であれば問題ないかと思われます)。飲んだことがある方はお分かりかもしれませんが、水に溶かしてもすぐには溶けないため、しばらく(15分くらい)冷蔵庫に置いておかないと完全に溶けきれないため、すぐに作って飲もうとしても溶けきれていないと飲みにくいという難点もあります。

しかし、その反面ラコールは「ほぼそのまま飲める」というメリットがあります。既に液体であるため、コップに移す等(私は直飲みですが)すればすぐに飲むことが可能です。

未開封であれば常温保存可能です。季節によって工夫することもあります。夏場は冷蔵庫で冷やしたり、冬場は温かいお湯で温めたりすることも可能です(湯煎の場合は70℃以下になるようにしてください)。

→大塚製薬から出ているラコールについての取り扱い方について

このような経緯から、私の場合はエレンタールよりもラコールの方が習慣化しやすかったようです(手間が少ないからでしょうか…)。

 

私がラコールを習慣が出来たポイントを以下に簡単にまとめてみました。大したことではないかもしれませんが、参考になれば幸いです。

・食事の後ではなく、お腹が空いたタイミングで飲む

・エレンタールは溶かすのが面倒!!ラコールはそのまま飲める!!

・コップに移し替えない!!そのまま開けてストローで飲む

・出かける時は1,2袋持ち歩く時もある

習慣化するポイントとしては、「いかにめんどくさいことを省いて楽にできるか」ということを最大限考慮しています。人間はめんどくさいことが多いと習慣化を辞めてしまう生き物なので、意思の固い方は大丈夫だと思いますがそれ以外の方はハードルを極力下げて習慣化しやすいように工夫することが大事であると思います。

 

最初の食事の後ではなく、お腹が空いたタイミングで飲む」というのは、私の場合は食後ではなく、食事の前の「お腹が空いたタイミング」で飲んでいます。というのも、ラコールを飲むタイミングは別に厳格には決まっていないと思います。

例えば毎日2000kcal摂取していた人がクローン病等の病気で栄養療法を開始しなければならない場合、栄養療法を600kcal/日導入であれば食事からの栄養は1400kcal、900kcal/日導入であれば食事からの栄養は1100kcalということになります。毎日3食摂取しているのであれば1日の食事の総摂取カロリーを単純に割る3で導けば良いのですが、これを毎日考えて行う人は少ないと思います。よほど真面目な方か栄養士とかの資格を持っている人でなければ出来ないと思うからです。ましてやクローン病を初めとする炎症性腸疾患は若い人に多いですから、仕事をしながら食事の栄養のことも考えなければならないのはとても大変だと思います。

そこで私の場合は「先にラコールを飲んでしまう」ということにしています。これはエレンタールでも良いと思います。先にラコールなどの栄養を摂取してしまえば「残った分の食事は好きなものを食べる」ということが出来ますし、「飲み忘れ」や「飲めなかった」ということも少なくなると思うからです。

これが仮に先に食事をして後に栄養療法を摂取する場合と考えると、食事の量をちゃんとコントロールできる人であれば良いと思いますが、「食べ過ぎてお腹いっぱい…」なんてことがあれば飲む気にもなれませんし、仮に飲めたとしてもカロリーオーバーになってしまいますし、そうなってくると本来の目的である「病変部を休める」ということが達成されなくなってしまいます。

そこで、「お腹が空いたタイミングで飲んで」しまえば、後は「(食べ過ぎにだけ注意して)食事を楽しめる♪」ということで、この方法で私は続けています。

 

次にエレンタールは溶かすのが面倒!!ラコールはそのまま飲める!!」ということですが、これは前述した通りです。エレンタールはすぐに水には溶けない(全部溶けきらない)ため、しばらく置いておく必要があると思います。

 

次の「コップに移し替えない!!そのまま開けてストローで飲む」というのも、本体には「コップ等に移し替えて飲んでください」と記載があるので最初は真面目にそうしていましたが、これがプチストレスでした…

コップに移し替えて口から飲むと「口の周りがベタベタする…」のですよね。というのもラコールやエレンタールを始めとする栄養成分は濃度が濃いので、どうしてもベタついてしまうのです。しかしこれが地味にイラつくのです(笑)時々飲む程度であれば、よいかもしれませんが、これを1日3回もやらないといけないとなると心が折れそうになります。

そこで考えたのが、「直接袋を開けてストローをさして飲む」という方法です。当時、家に大量のストローがあったこともあって、これなら口の周りがベタ付かないしコップの洗い物も増やさなくて「一石二鳥」じゃん!!と思い、以降ずっとこの方法です。

 

現在は洗って繰り返し使えるストローを使用しています。昨今ではSDGsが意識されていることもあり、環境問題を考えると洗って繰り返し使えるストローの方が良いのかもしれません。

最後の「出かける時は1,2袋持ち歩く時もある」ということですが、平日の仕事や休日の出先でも持っていくことが結構あるということです。これは少々面倒かもしれませんが、私はこれを結構行っています。というのも、私の場合「お腹が空いたタイミングで飲む」と言うことを重視しているので、出先であっても「お腹空いてきたな…」というタイミングで飲んでしまうことも結構多いです。自宅に帰ってからでも良いのかもしれませんが、「出先で飲んだ方が自宅に帰ってからの食事の予定が立てやすい」ということもあって飲むことが多いです。昼食を外で食べる時も持って行って、「食べる前に飲む…」なんてことも結構あります。やはり食べてしまってからだと飲む気が起きないからです。食事の量も調整しないといけないですしね。誘惑の多い外食だとそれが難しい場合もありますから。

持ち歩く際はジップロック等の袋にラコールとストローを入れておきます。飲み終わったら袋に入れて、自宅に帰った後に飲み終わった袋は軽く洗ってから捨てています。ストローは中をよく洗ったら乾かしておきます。

先述した通り、出先でも袋からストローでそのまま飲めるので、外でも椅子など座れるとことを探したら飲みたい時に飲むことも多いです。

 

 

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さいごにまとめ

いかがでしたでしょうか??これは完全に私個人の方法なので、「これだけ」ということはありません。10人患者さんがいれば10通りの方法があると思いますので、他の方の情報等も参考にしながら実践していただけると良いかな…思います。

私の場合、既に習慣化出来ているため、苦痛とか大変さはあまり感じません。他の健康な方からすると「大変だね…」なんて言われることもたまにありますが、習慣化とは恐ろしいもので、そこまで大変さはないからです。私の場合幸運なことに栄養療法と内服薬のみでコントロールがほぼ出来ており、発症から10年以上経過しましたが次の段階である免疫療法などには進まずに経過しております。

また栄養療法と内服は続けていますが、食事からの摂取に関してもそこまで神経質になっておらず、ごく普通の食事も行えています。ですので、クローン病には良くないとされる肉類やファーストフードとかケーキ等の脂肪の多いものも時々食べます。飽食の現代において「あれもダメ…これもダメ…」となると逆に気が滅入ってしまいますよね。病気になってしまったことは避けようがないのですが、それでも「食事は楽しみたい」と思うのは人間の本能だと思うので、自分が出来る方法を模索していくしかないかと思います。

 

 

 

 

 

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